皆様、こんにちは。
日本クレアス税理士法人 千葉本部で相続を担当している職員の松田です。
10月に入り、近頃めっきり涼しくなってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、今日は土地の面積に関係する相続税評価のことを書いてみたいと思います。
土地は高額な相続財産
相続財産のうち、一番高額になるもののひとつといえば、自宅の土地です。
自宅の土地の面積ってどれくらいか、皆様はご存知でしょうか?
登記簿を見ればすぐわかりますし、登記簿を見なくても覚えている、という方もいらっしゃるかと思います。
しかし、代々相続してきた土地については、「正確な面積を実は知らない」という場合もあるかもしれません。
登記簿上と実際の面積が違っていたケース
以前、相続税申告のご依頼をいただいた方の自宅の土地が、登記簿上と実際の面積が違っていたことがありました。
この土地は、登記簿上の面積があと数㎡あれば、当時適用可能だった広大地の評価(現在はなくなりました)の対象になるかもしれない、という土地でした。そこで現況測量※を行ってみたところ、実際の面積は登記簿上の面積よりもだいぶ少なくなっていました。
その結果、広大地評価はできなくなりましたが、現況測量しないで登記簿上の面積を基に評価するよりもかなり評価額が下がり、相続税も減額することができました。
土地の評価額が下がれば相続税も下がる
土地の相続評価は、基本的に路線価×面積(市街化区域内の場合)がベースになりますので、面積が小さければそれだけで評価額が下がります。
評価額が下がれば、当然に相続税額も下がります。
その効果は、路線価が高いところですと、より一層差が出てきます。
例えば、登記簿上の面積は350㎡あるけれども、現況測量の結果、実際の面積が320㎡だったというような場合、もしその土地の路線価が20万円ならば、
(350㎡-320㎡)×20万円=600万円 の評価額減
となり、相続税の最低税率は10%なので、最低でも60万円相続税が減ることになります(「相続税の総額」ベースで)。
また、逆の場合で、登記簿上の面積が数㎡しかないのに、実際は車数台分の駐車場になっている土地をお持ちの方もいらっしゃいました。
この場合は、登記簿上の面積の方が小さいから、それで評価しても良いかというと、そうではなく、あくまで実際の面積で評価することになります。
現況測量をしてみましょう
ご自宅に限らず、お持ちの土地について、登記簿上の面積と実際の面積に明らかに違いがありそうな場合や、土地の形がいびつな場合、測量士さんに測ってもらうことをお勧めします。
なお、現況測量にかかる費用は、測量する土地の面積にもよりますが、大体10万円くらいからで、広くなるほど高くなる、と思っていただいて構いません。
費用はかかりますが、生前に現況測量をしておけば、その分は、現況測量をしなかった場合と比べて、亡くなった時の預貯金の額からは減っていることになるので、わずかな額かもしれませんが、相続税の節減にもつながります。
当事務所では、測量士(測量会社)さんのご紹介もできますので、「一度測っておきたいけれど、どこに頼んだらいいか分からない」という方は、当事務所までお気軽にお問合せください(お問合せは、こちらまで »)。
- 測量には、大きく分けて、現況測量と境界確定測量という、2つの測量があります。
前者よりも後者の方が、隣地の方との間で、境界確認をしなければならない分、費用が高くなります。土地を売却する場合には、境界確定測量をしないといけませんが、当面売る予定がないのであれば、現況測量だけで十分です。