皆様、こんにちは。日本クレアス税理士法人 千葉本部で相続を担当している職員の斉藤です。
さて、このところ連日のように世界的な株安のニュースを目にします。
日経平均も大きく下落し、不安に思っている人も多いのではないでしょうか?
ところでこの株(上場株)ですが、相続発生時に所有している場合には当然『相続財産』となります。相続税申告が必要な場合には、金銭的価値はいくらなのか評価しなくてはなりません。
ではどのように評価すればいいのでしょうか?
相続財産は基本的に相続発生日時点の価額で評価されます。
ということは単純に持っている株数にその株の相続発生日の終値をかけるだけでよさそうですが、実はそう簡単ではありません。
財産評価基本通達を見ると
「(前略)上場株式の価額は、その株式が上場されている金融商品取引所(中略)の公表する課税時期の最終価格によって評価する。ただし、その最終価格が課税時期の属する月以前3か月間の毎日の最終価格の各月ごとの平均額(以下「最終価格の月平均額」という。)のうち最も低い価額を超える場合には、その最も低い価額によって評価する。」
となっています。
つまり、相続発生日の終値だけでなく、相続が発生した月、前月、前々月の終値の平均額も確認し、これら4つの価額のうち一番低い価額で評価しなさいということです。
そのため、例えば相続発生日やその直前に急に株価が高騰したとしても、それ以前の低い価格で評価することができますし、逆に相続発生日に急激に価格が下落した場合にはその低い価格で評価すればよいのです。
なかなか厳しい決まりの多い財産評価ですが、これは納税者に配慮した規定ではないでしょうか。
相続税申告をしている税理士でこのことを知らない方はいないと思いますが、もしご自身で申告しようと思っている場合には、無駄に高い税金を払ってしまうことのないようお気をつけください。
- 上場株の評価はこれ以外にも『権利落ち』や『株式分割』、『相続発生日に取引がない』など評価が複雑になる場合もあります。ご注意ください。